2008年05月16日
「案本」
副題に、「『ユニーク』な『アイディア』の『提案』のための『脳内経験』」とあります。
著者がコピーライターさんですので、あくまでも「広告」を題材として話は進められていますが、クライアントを「プロデューサー」、大衆を「視聴者・観客」と読み替えれば、シナリオにも十分通用する内容となっております。
「こうすれば、アイディアがこんなにたくさん作れます!」みたいなハウツー本ではありません。
ちょっと、次元が違います。
ある意味、思想や生き方を説いた人文学本とも取れますし、アイディアを生み出すシステムを構築するための基礎を説いた理論書とも取れます。
内容は、私がグダグダ書くのをお読みいただくよりも、こちらのブログ「マインドマップ的読書感想文」さんにくわしいので、こちらをご覧ください。
「ゴッホは偉大な画家だが、偉大さゆえに評価されたのではない。評価されたという歴史的事実ゆえに、偉大な画家という名誉を獲得しているのだ」
とか、
「『早すぎた』アイディアなんて一見かっこいいのだが、結局選ばれなければ、なかったも同じなんとか世間に出て、結局消費者に選ばれず失敗作と酷評されても、まだ存在の痕跡を残せたほうがマシ」
とか、
「『なにを言うか』を後回しにして、もしくは放ったらかしにして、『どう言うか』のインパクトに腐心した提案を評価する尺度は、プレゼンの受け手は、やはり持っていないのである」
とか、
「経験した量が自分の量」
とか、
「つまり、『いい経験をした』というのは、『いい出来事に遭遇した』のではなく、『出来事との遭遇を通して、脳にいい経験をさせた』ということだ」
とか、
「主観は偏見である。しかも、ヤバいことに、ぼくらは主観しか持っていない」
とか、
「考えることは、経験である。その経験が、考えるきっかけになる」
とか、
「コピー用の発想なんてないのだ。違う言い方をすると、コピーにしか使えない発想なんて、使えないのだ」
など。
厳選に厳選を重ねてさえ、これくらいたくさん刺激的な文言が並びます。
さすがはコピーライターさん。
本当は小難しいことを述べているのに、そうとは感じさせない工夫が随所に施されています。
忘れたころに挟まれるボケやツッコミ。
時折、1ページを費やして格言・箴言のように掲げられる一文。
そして、刷り色から文字の大きさ、行間、天地の空き、ノンブル(ページ数)、柱(ページ隅の章タイトル)、さらには紙質、しおりひもの色まで、おそらく丹念に計算されたと思われる本全体のデザイン。
どれもすばらしいし、じつに効果的です。
もう一度言いますが、語りの軽妙さに反して内容の本質は小難しいです。
一度通読しただけでは厳密に把握しきれないかもしれません。
手元に置いてパラパラと何度も読み返し、その都度「ああ、こういうコトか」と気付くのがいいかもしれません。
私自身も、この記事を書くのにザッと見返して、最初よりは内容がいっそう鮮明になりました。
この装丁、この内容で2000円を大きく切る価格設定は、きわめて良心的です。
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いらっしゃいませ。
「マインドマップ」の概略は存じ上げております。
グチャグチャになるほどアイディアが量産されるなんて、それだけでうらやましい限りです。
本当にそのとおりだわ……
世間に出る。
すばらしい!!!
あ〜山さんがミクやめてわたしのくだらない日記にコメントくれる人が減ってさみしい…
今は「食べたものを羅列する」というつまんない日記更新してるんだ〜
>世間に出る。
>
>すばらしい!!!
ビビさんはもうしっかり世間に出ているじゃありませんか。
作る人と批評する人では、やっぱり圧倒的に作る人がカッコイイと思うのです。
作ったものがどれほどカスでゴミであろうとも。
「案本」では、広告の「提案」について地方予選と決勝トーナメントにたとえています。
クライアントに採用されるかどうかが地方予選、実際世に出て大衆に受け入れられ広告商品が売れるかどうかが決勝トーナメント。
これ、ドラマや映画とまったく同じ図式だな、と感じました。
決勝トーナメントに出てきた段階で地方予選を勝ち抜いてきているんです。
その規模の大小はあるにしろ。
「世間に出る」=「決勝トーナメント進出」。
私は予選敗退しか経験がありません。
しかもほぼすべてが1回戦敗退。
つまりカスとゴミの大量生産中。
でも、やっぱり、批評する人ではなく、作る人でいたい。
それがシナリオを書き続ける理由です。
地方予選を勝ち抜くためには実力が必要です、いろいろな意味で。
ビビさんには、そんなさまざまな実力があるんじゃありませんか。
>今は「食べたものを羅列する」というつまんない日記更新してるんだ〜
さっき職場で福岡土産のスイートポテトを食しました。
美味でしたよ。
食べたものの記録って、時間がたって振り返ると意外なデータベースになりそうな気がします。
おっしゃるように、本質的な部分はかなり「深い」と思います。
同じようにコピーライターさんが書かれた本では「広告コピーってこう書くんだ!読本」もお薦めですよ(ウチの1月売上ランキングの3位でした)。
今後ともよろしくお願いします。
いらっしゃいませ。
お越しいただきありがとうございます。
なんだか自分の手抜きみたいなトラックバックで誠に恐縮です。
>「広告コピーってこう書くんだ!読本」もお薦めですよ
ありがとうございます。
今度、書店で手に取ってみます。
こんなブログですが、よろしければたまに覗いてみていただけたら嬉しいです。