2013年04月19日

「あまちゃん」のナレーション芸

2週間前にも記事をアップした連続テレビ小説「あまちゃん」。
なにやら日本中で好評のようで、視聴率も上がり続けているようです。

あまちゃん視聴率22%!スタート以来最高
(2013.4.19 05:02 SANSPO.COM)


「ナレーションは使わないように」

これは、シナリオを学ぶ際、ごく初期に言い渡される戒めです。
ナレーションでぺらぺらと心情や事情を説明するのではなく、それを映像で伝える努力をせよ、と。
特に映画畑で強い傾向らしく、倉本聰先生も日活時代にきつく言われたと語っていらっしゃいます。
ところが、テレビとなると事情が違ってきます。
「あまちゃん」でもナレーションは多用されています。
そもそも、枠の名称が「連続テレビ“小説”」。
地の文に相当するナレーションが重要な役割を担っているのは折り込み済み。
Wikipediaで調べたところ、連続テレビ小説の全作品に、「語り」つまりナレーションの担当が存在するのです。
誰の声がナレーションを担当しているかは、作品によってさまざまです。
@ NHKアナウンサーやドラマ自体には登場しない役者さんなどが専門でナレーションを担当する場合。
A 主人公役の役者さんが担当する場合。
B 主人公以外の役の役者さんが担当する場合。
C 人間以外の動物や植物などが語っているという設定でドラマ自体には登場しない役者さんなどが担当する場合。

大きく分けて以上の4種類があるようです。
「あまちゃん」の場合は夏ばっぱを演じる宮本信子さんが担当していますのでBに該当します。
小説でいえば、@は三人称、Aは一人称に相当するでしょう。
BCも厳密にいえば一人称に相当するのでしょうが、語り手が主人公でない分、@とA両者の性質を持ち合わせているといえそうです。

「あまちゃん」でもその性質を存分に生かしたナレーション芸が駆使されています。
夏さん自身の心情や事情も語っちゃいますし、主人公・アキの心の声も代弁します。
また、作品世界のすべてを知っている「神(=作者)」の言葉を代弁するような語りもあります。
そして、笑いの要素として大きいのが「ツッコミ」の役割。

こんな場面がありました。
アキの母・春子(小泉今日子さん)の前で、春子の幼なじみで現在は北三陸駅駅長の大吉(杉本哲太さん)が「懐かしいべ!」と2人の青春時代だった80年代の歌をカラオケで歌い始めます。
ところが、その曲が「ゴーストバスターズ(by レイ・パーカー・Jr)」!

そして直後のナレーションが「明らかに選曲ミスでした」。
これは「ツッコミ」以外の何モノでもありません。
これまでわたしの中で“ザ・ベスト・ナレーション”は「北の国から」の純だったのですが、「あまちゃん」の夏さんも肉薄してきました。

刃物もナレーションも使いよう。
便利だからこそ充分気をつけて扱わないと大怪我をしてしまう――そのため、初心者は「使うな」と教えられるのでしょう。
クドカンさんこと宮藤官九郎さんは、今後どんな刀捌きを披露してくださるのか、毎日が楽しみです。


posted by 山久友 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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